高圧線や鉄塔など電気を送るうえで重要な役割を果たしているものへ雷が落ちることがあるのでしょうか?
もし、その近くに住宅があった場合、雷が直撃するようなことはないのでしょうか?
今回は、これらの疑問について答えていきたいと思います。
高圧線や鉄塔の近くの住宅に落雷が発生したら?
特に気にする必要はありませんが、家の外部にある金属製は接地をする必要があります。
雷は莫大なエネルギーがあふれています。
そのため、送電線などに落ちた際は、送電線がショートし、多くの電流が流れ込んでしまいます。
このままにしておくと送電設備が故障してしまうため、ショート箇所への電流を遮ることで被害を防止しています。
なるべく早くショートを検出し電流が流れないようにしても、0.07秒~2秒くらいの間、電圧が低下してしまいます。
この短時間における電圧低下を瞬時電圧低下と称します。
送電線は架空地線や避雷器などの対策を行っていますが、電力会社の設備で瞬時電圧低下を防止するのは困難です。
したがって、近くに住宅があったとしても直撃雷が落ちることはないと言えます。
高圧線は雷が落ちやすい特徴と形状を備えていますが、付近の住宅に直撃する可能性は少ないと考えられます。
それは高圧線に電気エネルギーが流れ、地面へと逃げていくからです。
ただし、その際に誘導雷、逆流雷が生じる可能性は否定できません。
また、高圧線は他の面で次のように健康への問題が指摘されています。
高圧線が発する低周波の電磁波を浴びることによる健康被害が、WHOなどで注目されています。
スウェーデンなどでは2~3mGを目安に、高圧線の鉄塔を住宅や幼稚園などの近くに建設しないように規制しています。
まとめ
鉄塔に雷が落ちても、送電線がショートすることで甚大な被害が出ないようなしくみになっています。
高圧線は落雷が発生しやすい条件を備えていますが、付近に住宅があっても直撃することは少ないと考えられます。
しかし、高圧線の近くは電磁波による健康面への悪影響が懸念されます。