雷の発生が多いところもあれば、少ないところもあるはずです。
どうしても多い方に注目しがちですが、今回は日本国内および世界の発生が少ない場所に焦点を当てていきます。
日本の中で雷の少ない都道府県は?
各地の気象台の観測に基づく雷日数(雷を観測した日の合計)のデータをもとに話を進めていきます。
データは、1981年~2010年までの30年にもおよぶ平均値が使われています。
それによると、年間の雷日数が多いのは東北から北陸地方にかけての日本海沿岸です。
最も多い石川県では42.4日、ついで新潟県34.8日となっていますが、夏も冬も雷の発生が多く見られるためです。
北海道(8.8日)、宮城県(9.3日)、東京都(12.9日)の順に雷発生の数が少ない特徴が見られます。
北海道で落雷があまり見られないのは、地上の気温が低いため大気中の水蒸気がこすれ合うことがないからです。
つまり、雷のもととなる静電気の発生があまり見られないということです。
したがって、冬の降水量(雪)は多くとも、雷が落ちる回数は少なくなるのです。
世界の中で雷が少ない地域や国は?
World Lightning MapおよびWorld Wide Lightning Location Networkの情報をもとに紹介していきたいと思います。
それによれば、アラスカ州、アフリカ大陸の北部、ヨーロッパ州の北部は雷が少ないようです。
アラスカ州とヨーロッパ州の北部は、北海道と同じく地上の気温が低いため水蒸気が氷の粒になることはないのです。
そのため、雲の中で氷の粒がぶつかり合って静電気を発生させることがないので、雷は少ないと考えられます。
アフリカ大陸の北部は、地上の気温が高いため積乱雲の中で水蒸気は冷やされることはありません。
ですから、雷のもとになる氷の粒が生じることもないので、少ないのだと推測できます。
まとめ
日本国内で最も雷の発生数が多い石川県と北海道に5倍もの差があるとはとても意外でした。
また、世界に目を向ければ、ほとんど雷が発生しない地域もあることにも驚きました。
地上の気温が高すぎても、低すぎても積乱雲の中で水蒸気が凍らないため、雷は発生しません。