なかなか山でどんなふうに雷が落ちるのか想像するのは難しいと思います。
そこで、実際に山小屋に勤務されていた方の話を紹介していきます。
また、体験した方だから分かる耳寄りな情報についても載せています。
山小屋で働いていた人の雷体験
槍ヶ岳で働いていた人の話をもとに紹介していきます。
5月のまだ雪深い頃、ゴミ焼き場の除雪をしていると、霰が降り出しました。
気にすることなく作業を続けていると、後ろでフラッシュをたいたような光が見えました。
ズドーンと至近距離での落雷があり、驚きのあまりしばらくの間、その場を動くことができませんでした。
情けない話ですが、雪の中を四つん這いになって小屋へ避難しました。
近くにいた同僚の話によれば、20m~30mくらいの距離だったそうです。
槍ヶ岳の山荘には落雷警報装置があります。
1次注意報が出たら、約5割の確率で至近距離への落雷が見られたそうです。
2次注意報や落雷警報が出たら、これはもう雷雲の中にいるも同じことで、危険な状態です。
落雷警報のブザー音が鳴ると、バリバリというけたたましい音が鳴り、落ちたそうです。
山での雷体験から言えることは?
1つ目は、上空の大気が不安定と予報が出た場合、雷が発生するのは7割前後の確率ですから注意しましょう。
たとえ朝は快晴でも、午後には天候が急に変わってしまうことは見られます。
2つ目は、前日に雷が落ちたということを耳にしたら注意が必要です。
北アルプス南部だと、前日の夕方に雷が発生した場合、次の日には早めに落ちるケースが多く見られます。
3つ目は、春なのに突然、雹(ひょう)や霰(あられ)が降ってきたら気をつけましょう。
こうなった場合、1時間以内に雷が発生することが多いそうです。
4つ目は、高い稜線いる時は、遠くから聞こえる落雷の音に耳をすませましょう。
かすかに音が聞こえただけでも、警戒した方がいいそうです。
まとめ
実際に雷と間近に接してきた人の話は、迫力が異なります。
登山を予定されている場合は、天気予報の情報をもとに中止にするような大胆な決断も必要です。
季節外れの雹や霰が降ってきた場合は、雷が落ちる場合が多いので注意しましょう。