パッと関連する用語を挙げれば、「稲妻」・「稲光」・「雷」があります。
これらの言葉に何か違いはあるのでしょうか?
違いがあるとすれば、どのように使い分ければいいのでしょうか?
今回は「雷」を言葉の視点から捉えて、話を進めていきたいと思います。
稲妻の指す意味とは?
稲妻は「稲の夫」という意味で、電光が稲に当たると稲が妊娠して米ができると考えられていました。
気象学的には、雷が多いとき降水量や日照が多く、気温が高いなど稲の生育によいそうです。
昔の人は、雷が多いと豊作になることを経験的に知っていたようです。
昔の人は「稲夫(いなつま)」と呼んでいましたが、江戸時代に「稲妻」と使われ定着してしまいました。
古くは、「つま」と言えば、「夫」・「妻」の両方を指しましたから無理からぬことかもしれません。
稲光の指す意味とは?
稲の実る頃に雷が多いことから、雷光が稲を実らせるという信仰がありました。
そのため、「稲」を冠して稲を実らせる光という意味があるそうです。
つまり、雷の音ではなく光の方に焦点を当てた表現となっています。
雷の指す意味とは?
雷の語源は、「神鳴り(かみなり)」と言われています。
雷神様が太鼓を打って神が鳴らしていると昔の人は信じていたようです。
神が鳴らしているから、「かみなり」と表記されました。
「かみなり」という言葉が広まったのは中世以降とされています。
今日の「雷」が示す意味においては、雷鳴と雷光の両方を総称しています。
まとめ
農耕民族として知られる日本人ですが、文化と言語は切り離して考えることはできませんね。
雷が稲を豊かにするという信仰があったと知り、とても驚きました。
「雷」について調べれば調べるほど奥がとても深いと改めて思いました。