子どもの頃に、こんな経験をしたことはありませんか?
雷の音におびえて机の下に隠れたり、泣き出したりなど。
雷が鳴ると祖父から「へその緒をとられるぞ!」とからかわれたものでした。
なぜ雷の音を怖いと感じるのでしょう?
その疑問に今回は迫っていきたいと思います。
「偏桃体」の情報処理に関連していた!
「偏桃体」は脳の中にあるアーモンド形の神経細胞の集まりです。
好きや嫌いなどの「気持ちの処理」と「記憶」において大きな役割を果たしています。
偏桃体に送られる情報は複雑なものほど時間がかかり、単純なものほどすばやいです。
交通事故に遭いはねられてしまった時などは複雑な処理をされて偏桃体に送られることになります。
一方、雷鳴などの単純な刺激は偏桃体へ直接に送られます。
複雑な刺激と単純な刺激によって情報処理速度に違いがあるのは?
複雑な刺激によって恐怖を思い起こさせる記憶は、大脳新皮質(知的活動に関与する)の中にあります。
そのため、多くの神経細胞シナプスを介して情報を送るために多くの時間を要します。
単純な刺激からもたらされる恐怖の記憶は、扁桃体の中にあります。
ですから、簡単な刺激による情報は、視床(知覚神経の中継役)から直接情報が偏桃体へと送られます。
子どもは大人よりも雷に驚く理由は?
何の前触れもなく雷がいきなり落ちれば、大人でも子どもでも驚くことに違いはありません。
大人と子どもの違いは、その後の大脳新皮質での情報処理です。
大人は、子どもよりも経験を通して多くの情報を蓄えており何も問題がないことを知っています。
大人であっても、雷によって死ぬような目に遭った人は別にして考えてください。
子どもは、大人よりも経験が浅いため目の前の事象をうまく処理できずに反応してしまいます。
まとめ
雷鳴に子どもの方が驚くのは、脳の記憶処理と未知の経験によるものであることが分かりました。