自然エネルギーと言えば、太陽の光を利用した太陽光発電が知られています。
では、雷の発生する仕組みを発電に利用することはできないのでしょうか?
雷そのものを発電に活用することは難しいようです。
しかし、金沢工業大学において、興味深い実験が行われているようです。
そこで、今回はそれについて話を進めていきたいと思います。
大気電流発電の仕組みは?
「大気電流発電」とは、雷になる前の大気中の静電気を回収し電力として利用する研究です。
金沢工業大学の饗庭貢教授が、その研究に取り組まれています。
その仕組みは、雷雲が近づくたびに地表との間に流れる大気電流と、
雷放電後の続流と呼ばれる弱い電流を蓄えるようになっています。
具体的には、地上5メートル以上に設置した数10メートル程度の避雷針を用い、
大気中の500ボルト未満の低圧の静電気を専用の容器に回収し利用します。
雷を引き起こす500ボルト以上の静電気は地中に逃がすため、落雷防止にも貢献できるそうです。
大気電流発電によってどれくらいの発電量が見込めるの?
実験では、高さ65メートルの避雷針を使い、
冬の1カ月で約400キロワット時の電気量を期待できる結果が出ています。
一般家庭の月間平均電気使用量は約340キロワット時とされます。
この結果は、ほぼ一世帯に必要な電気量を賄えることを意味しています。
饗庭貢教授は、雷の専門家として知られ、1970年代後半からさまざまな実験を行っています。
ユニークなものでは、雷の電気で水を温める「雷温水器」の開発に成功しています。
まとめ
自然エネルギーと言えば、光、風、地熱などをつい思い浮かべてしまします。
雷をエネルギーとして利用するという発想がおもしろいですね。
これからますまずクリーンで安全なエネルギーが必要になってくると思います。
大気電流発電は、これから期待できますね。