雷と言えば夏を思い浮かべますが、世界的に見ても冬に落ちるのは珍しいそうです。
冬に雷が発生するのは、日本海側と北欧の一部の国だけです。
そこで今回は季節による雷の違いについて紹介していきたいと思います。
夏と冬に見られる雷の特徴は?
落雷は、激しい対流現象をともなった積乱雲によってもたらされています。
季節風が通過する日本では、夏も冬も積乱雲が発生します。
夏の積乱雲は圏界面まで達するような鉛直方向に発達した入道雲です。
積乱雲内において氷の粒が形成されるのは、気温が-10℃になる場合です。
このような状態になると、氷の粒が+と-の電気を帯びるようになります。
夏季の地上気温は30 ℃前後ですから、積乱雲の中は-10℃です。
ですから、高度10㎞ほどまで発達した積乱雲は雷とともなう雨雲となります。
夏季の発達した積乱雲では、数百回から数千回にもおよぶ活発な雷活動が特徴です
一方、冬の積乱雲は高さが3㎞~4㎞ほどの雪雲ですから、雲内が-10℃であることは考えられません。
例えば、地上の気温が-10℃であれば、雲内はさらに低温ですから+と-に分かれることも活発に行われません。
北海道では大量の雪は降りますが、落雷がほとんど観測されないのはこのためです。
規模の小さな雪雲からの落雷は少ないため、いきなり稲光が走り雷鳴が響いたかと思えば一撃で終わります。
こうした雪雲からの落雷は、「冬季雷」と呼ばれています。
例えば、北陸地域では12月ごろに鳴る雷を「ぶり起し」と呼ばれています。
「冬季雷」は地域によって発生する時期が決まっているため、日本各地、固有の名で呼ばれることが多く見られます。
まとめ
夏の雷と冬の雷の大きな違いは、積乱雲内で雷の元が形成されるか否かにあります。
夏は地上の温度が高いため、雲の中は-10℃に達しますが、冬場はそれよりも低い可能性が高くなります。
こうなると氷の粒が電気的な性質を帯びることはなく、雷の発生も少なくなるそうです。