「いつ」・「だれが」・「どこで」、雷に打たれるか誰も予測することはできません。
しかし、恐れてばかりいては対策を講じることはできません。
ですから、今回は落雷時の危険性について3つの観点から話していきたいと思います。
落雷時に傘を持っていたら危ないの?
危険です、理由は傘を持つことであなたが周囲よりも高い位置にいることになるからです。
別のいい方をすれば、飽和状態になった電気のかたまりが耐えきれず、地上の高いものをめがけて落ちるからです。
傘の材質は金属でもプラスチックでも、雷の落ちやすさにはあまり関連が見られません。
空気という絶縁体に抗い、貫いて落ちてくる超高圧電流です。
空気に比べたら金属もプラスチックも電気をよく通す物質になってしまいます。
ですから、傘をさせば、ささない時より少しだけ雷は落ちやすくなると言えます。
一般的に金属に落ちやすいと、誤って認識されているのは、落ちた場合に金属の部分を流れるためです。
金属を目がけて落ちてくるのではありません。
雷が落ちた時に木の下は危険なの?
とても危険ですから、避難場所としておすすめできません。
今から3年前、東京で落雷によって亡くなる事故が発生しました。
7月初旬、関東地方は局所的な強い雨風に見舞われていました。
16時頃に北区の荒川付近に雷が落ち、川で釣りをしていた4名は休憩所に駆け込みました。
横殴りの雨だったため仕方なく避難場所を中州に植わっている木の下にしました。
残念なことにその木へ雷が落ち、1名は亡くなり、2名が重傷を負ったそうです。
残る1名は、木の根元から4m以上離れた場所にいたため軽い傷で助かりました。
自転車に乗っている時に被雷したら?
自転車に乗っている状態であれば、自転車そのものよりも、自転車に乗っている人の頭の上に落ちる可能性が高いです。
それは上で説明したように雷はより高いところに落ちやすいからです。
雷は金属に落ちやすいと考えられていますが、実際は高低差に対して雷の落ちやすさは関連が見られます。
ですから、自転車が金属であったとしても、それより高い位置にある頭の上に落ちるおそれが高いです。
もし頭の高さが同じなら、歩行者に落ちた時よりも、自転車に乗っている場合に落ちた方が、生存率は高くなります。
前者は頭から落ちた電気が全身を流れ足元に逃げますが、後者はハンドルを握る手から抜けていく可能性が高いからです。
この場合、電気の衝撃に弱い心臓を通過しないため、命が助かる確率が高くなります。
まとめ
傘をさしている時に雷が落ちたら、被雷する可能性は高くなります。
他に避難する場所がなく木の下に身を寄せる場合は、根元から4m以上は離れて隠れるようにしましょう。
自転車に乗っている時に被雷しても、生存率は歩行時のそれと比べて高くなります。
金属部分に雷が落ちるとばかり思っていましたが、意外な事実が分かり目から鱗が落ちました。